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ミステリー翻訳者
山本やよい氏インタビュー
山本やよい(Yayoi Yamamoto)
ヴィク・シリーズは最初から山本さんが作品世界に入れ込んで翻訳を手がけた訳ではなかった。この意外な事実から見えてくる翻訳者の仕事の現場を、翻訳の苦労話を交えながら山本さんが率直に語る。
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第二回目の今日は『スラングに悩む!? 翻訳家の内緒の本音』 |
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Q.読者の観点から見たら、翻訳者と作者が一体となって翻訳が行われるのではないかと想像してしまいますが、ヴィク・シリーズはパレツキーと山本さん自身が一体となる瞬間があるのでしょうか。
A.それが無いんです。かえって、ヴィク・シリーズを訳す時は、他の作品の倍以上の時間と労力がかかるんですよ。終わるとぐったり。
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Q.それはまたどうしてですか。
A.まずヴィク・シリーズには俗語が大変多いことですね。それからシカゴを舞台にするパレツキーの独特の感覚に馴染むまでいつも一苦労するんですよ。
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Q.具体的に俗語というと、どんな言葉で表現されるんですか?
A.ええと・・・すぐには出てこないんですが、例えば『box』。これはテレビのことなんですよ。前後の文章から状況を描いて判断するんですけど。
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Q.ご自分でわかる俗語はいいとして、そうでない俗語はどのようにして調べるんですか?
A.アメリカ人の知人に聞きますね。どうしてもわからない時は、eメールで著者に尋ねます。便利な世の中になりましたね。
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Q.前後の文脈から直訳ではおかしいと思うところを山本さんなりに工夫するのですね、具体的にはどんな風にするのですか?
A.ふたつ例をあげましょうか。たとえば、
『House is off-limits to guests.』とあったら、
「ゲストの方は邸内への出入りをご遠慮下さい」とするわけです。
『I don't want to stay up all night.』なら
「徹夜は勘弁してほしい」としてみました。
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Q.なるほど。実際の翻訳現場を少し垣間見ることができたような気がします。ところで、時間も労力もかかるというパレツキーの翻訳を完成させる山本さんならではの乗り切り方というのは、どのようなものですか?
A.それはヴィクが好きだからです。もちろん作者のパレツキーのこともです。だから翻訳の苦労も厭わないんですよ。
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Q.パレツキーといえば山本さん。翻訳者としてパレツキーの存在は大きいですね。
A.そうですね。初めて手がけたシリーズ物ですし、このころからようやく翻訳家として認められてきたという思い出があるので、感慨深いですね。私が翻訳家として本格的に活動できる突破口
になったのです。記念すべきヴィクとの出会いでした。
山本やよい:プロフィール
1947年生まれ。同志社大学文学部英文科卒。現在は横浜市在住。海外ミステリーの翻訳が主。代表作、サラ・パレツキーのヴィク・シリーズの他、『最後の刑事』(ピーター・ラヴゼイ)、『嘆きの雨』(ウォレス)、『謎めく孤島の警部』(コーク)『出口なき広場』(チャールズ・ドット)、など訳書多数。
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センチメンタル・シカゴ
修道院の会計係をしているおばが株券偽造の疑いをかけられた。ただ一人の親族の潔白を晴らすため調査を始めたヴィクに、何者かが圧力をかける。硫酸、友人の死、そしてアパートの火災――事件の背後の巨大な陰謀に孤独な戦いを挑む女探偵ヴィクと、やがて明かされる母親にまつわる衝撃の事実。話題の第三作。早川書房刊
ハヤカワ・オンライン
V.I.ウォーショースキー・シリーズを手掛ける早川書房のサイト。ヴィク誕生の第一作「サマータイム・ブルース」からシリーズ第9作「バースデイ・ブルー」までオンラインで注文できる。
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