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ミステリー翻訳者
山本やよい氏インタビュー
山本やよい(Yayoi Yamamoto)
17年前に最初に手がけたサラ・パレツキーのV・I・ウォーショースキーをヒロイン とするシカゴ女探偵シリーズの翻訳で、一躍脚光を浴びた山本やよいさん。それまで主婦だ
った山本さんがキャリアを積みながらサクセスしていく過程を探ることで、ミステ リー翻訳家の素顔が見えてくる。 |
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第一回目の今日は『女探偵ヴィクとの出会い』 |
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Q.サラ・パレツキーのV・I・ウォーショースキー(略してヴィク)シリーズといえば翻訳者の山本やよいさん、とファンはすぐ結びつけますが、山本さんとヴィク・シリーズの出会いとはどんなところから始まったのですか?
A.翻訳者として本格的に仕事をするようになった2年目の時に、早川書房のある編集者からヴィク・シリーズの第一作『サマータイム・ブルース』を渡されたんですよ、面白かったらやってみ
ますか、と。今から15年以上も前のことですね。'チャンドラーに捧げる'とあり、読んでみたらストーリーそのものが純然たるハードボイルドで、少々困りました。というのは私はもともとそのジャンルはあまり好きではないんです。どちらかといえばイギリスの謎解きミステリーが好きでしたから。それに読後感が「どうしてこの人は頑張りすぎるのかしら」でしたから(笑)。ヴィクは弁護士から転身して、しかも空手の達人でジョニ黒なんか飲んでいる。半殺しにあってもその夜のデートの約束は守る。痣だらけの顔で男と会うんです。この強烈なキャラクターに対しても戸惑いましたね。私と違う世界に生きている女性なんだなあ、と。でも、どの世界でもそうでしょうけど、駆け出しの頃は好きとか嫌いとか言ってられませんから、引き受けることにしたんです。
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Q.頑張りすぎるヴィクのキャラクターは、その後も翻訳する上で苦手でしたか?
A.そんなことはありません。今では古くからの友人のように思っています。最新作を読むたびに再会の喜びと「ヴィクはどうなるのかしら」という期待と不安が入り交じりますね。
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Q.それはいつ頃からですか?
A.第三作目の『センチメンタル・シカゴ』から親近感を感じるようになりました。
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Q.それはヴィクのキャラクターを好きになった、ということですか?
A.そうですね。ヴィクの良さはお人好しで、子供好き。それに妥協しないところですね。弱い者に対して常に庇ってあげる勇ましさ。しかも料理は好きだけど、家事は得意ではないということを悪びれもしない。これは世の中の女性たちに勇気を与えてくれたのではないでしょうか。女は家事ができて当たり前という時代に、仕事で疲れて帰宅して家事はほったらかしていると描写されている。すごかった。
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Q.突っ張っている女性と言われていますが、働く女性に人気がありますね。
A.ええ。でもそれは30代以上の働く女性たちが多いようです。20代だったら果たして読んでくれ
るかしら。
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Q.最新作の後、今後のヴィクはどうなっていくのでしょうか?
A.新しい恋人の出現で、彼女自身が変わってくると思います。次回作ではそれがより際だつかもしれません。
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Q.シリーズはまだまだ続きそうですね。
山本やよい:プロフィール
1947年生まれ。同志社大学文学部英文科卒。現在は横浜市在住。海外ミステリーの翻訳が主。代表作、サラ・パレツキーのヴィク・シリーズの他、『最後の刑事』(ピーター・ラヴゼイ)、『嘆きの雨』(ウォレス)、『謎めく孤島の警部』(コーク)『出口なき広場』(チャールズ・ドット)、など訳書多数。
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サマータイム・ブルース
わたしの名はV・I・ウォーショースキー。シカゴに事務所を開く、女私立探偵だ。銀行専務の依頼で失踪調査に当たるが、専務の息子が何者かに射殺され、わたしも暗黒街のボスに脅迫される。背後に浮かぶ大規模な保険金詐欺の実態……空手の達人にして美貌の女探偵登場! 期待の女流の新シリーズ第一作。早川書房刊。
ハヤカワ・オンライン
V.I.ウォーショースキー・シリーズを手掛ける早川書房のサイト。ヴィク誕生の第一作「サマータイム・ブルース」からシリーズ第9作「バースデイ・ブルー」までオンラインで注文できる。
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