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Home翻訳者・通訳者インタビュー > 鏡リュウジさん
第一線で活躍中の翻訳者にインタビュー  

心理占星術研究家・翻訳家 鏡リュウジさん
Psychological Astrologer, Translator: Ryuji Kagami

Ryuji Kagami


高校生の頃から、西洋占星術の専門書を英語で読んでいたんです。


雑誌やテレビ、ラジオなどの星占いで活躍している鏡リュウジさん。実は、海外の占星術の専門書を日本に紹介する翻訳家という一面も持っている。

占星術や英語との出会い、海外の専門家との交流など、星占いのカリスマの意外な素顔を垣間見た。


翻訳の仕事はどのようにして始めたのですか?
子どもの頃から西洋占星術に興味があったんですが、日本には占星術を紹介した本があまりなく、当時はインターネットもありませんでしたから、高校生になると、海外の出版社から英語で書かれた占星術の専門書を取り寄せていたんです。当時家庭教師をしてくれていた京都大学の大学生といっしょに、それを読んでいました。

大学は国際基督教大学に入り、英語は多少できたということもあったんだと思うんですが、出版社で洋書のサマリーを書くバイトを始めたんです。出版の可能性がありそうな本の要旨を日本語でまとめるという仕事で、そのうち本を選ぶところからやらせてもらえるようになり、在学中に自分の訳書も出せるようになりました。それが、僕の最初の本『クリスタル・パワー』(二見書房)です。


翻訳と同時に占いの仕事もされていたんですか?
高校時代から、雑誌で占星術の原稿を書く仕事をしていました。読んでいる人も、まさか高校生が書いているとは知らなかったと思いますが(笑)。

最初はタロットのイメージにひかれていて、そのうち占星術に心理学を取り入れた「心理占星術」に興味を抱くようになったんです。イギリスでは占星術が学問として盛んに研究されているので、大学生のときからイギリスの占星術の学会に参加したりしていました。そこで心理占星術の研究者たちの話を実際に聞くことができたんです。

大学ではユングの心理学を専攻し、大学院まで行ったんですけれど、雑誌に原稿を書く仕事などが忙しくって、卒業してもそのまま続けていました。

原稿を書くのは最初バイト感覚だったんですけれど、ほかの仕事をしたことはないし、28歳の頃には「もう自分にはこれしかない」と思っていましたね。


占星術の翻訳では、著者の方ともお知り合い?
最近、イギリスの心理占星術の大物リズ・グリーンの『サターン 土星の心理占星学』という本を訳しましたが、僕が初めてリズ・グリーンの名前を聞いたのは、10代のとき観光で行ったハワイの占星術専門書店ででした。店員さんが、たまたまグリーンの本を薦めてくれたんです。

大学生になってから、ロンドンで彼女の主催する心理占星術センターの授業を受けたり、イギリスの学会に出るようになったりして、実際にお会いすることができました。

イギリスの占星術の世界には親しみやすい人が多いのですが、そんな中、リズ・グリーンはひときわ威圧感というかオーラのある人で、僕も初めて会ったときにはとても緊張したのを覚えています。

『サターン 土星の心理占星学』の前に彼女の『占星学』(青土社、岡本翔子共訳)という本を訳したこともあるんですが、僕が彼女の本を日本語に訳している話をしたときには、とても喜んでくれましたね。


翻訳で特に苦労されたことは?
リズ・グリーンの本は、ボキャブラリーが相当に豊富で、英語もかなりのクセモノです。

そもそも占星術の翻訳は、単に英語を日本語に直すというのではなく、意義が多様でいろいろな解釈が可能なものをまとめていくという感じです。『サターン 土星の心理占星学』では意識の投影、ホロスコープへの投影、といったように使われる「投影」(projection)の概念をうまく理解してもらえるようにするのが難しかったですね。


洋書はどれくらいのペースで読みますか?
必ず読み通すというわけではないのですが、月にたいてい3、4冊は買っていますね。出版社から「こんな本があるけれども、翻訳に興味がありますか」と送られてくることもありますし。

もちろん、自分から翻訳してみたいと思うものもあります。そんなときは、まず普段の知り合いの編集者に相談してみるんですが。


最近は翻訳書『月の本』の監修もされていますね。
映画『下弦の月〜ラスト・クォーター』の監修をすることになったところ、それと同じタイミングでこの『月の本』(河出書房新社)を出させていただくことになったんです。偶然が重なった感じですね。

月については、特にひかれるものがあるんです。占星術的に言えば、僕のホロスコープで月が強いせいもあるのでしょうか。

月は、占星術の世界では感情生活とかかわっていて、親しい人との関係などを考えるときに重要になってきます。『月の本』にあるような月にまつわる伝承や神話を考えることは、生産性ばかりを追い求める現代において、非常に大事なことだと思います。


雑誌で見る鏡さんと「翻訳家」の鏡さんは、少し違うイメージですね。
いろいろな仕事をしているのは楽しいですよ。どの面の鏡リュウジを見ているかによって、相手の方のキャラクターをうかがい知ることができたりします。

ただ、自分では学問の世界とエンターテイメントの世界をうまくつなげていけたらと思っていますけれど。

鏡リュウジ(かがみりゅうじ)

心理占星術研究家、翻訳家。英国占星術協会会員。1968年、京都生まれ。国際基督教大学卒業、同大学大学院修士課程修了。近著に『天使はあなたのそばにいる』(ソニーマガジンズ)、『鏡リュウジの魔女入門』(柏書房)など。訳書は『悪魔の恋占い』『悪魔の星占い』(ヘイゼル・ディクソン・クーパー著/角川書店)、『魔法の杖』(ジョージア・サバス著/ソニーマガジンズ)など。


『サターン 土星の心理占星学』
Saturn : A New Look at an Old Devil

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リズ・グリーン 著 鏡リュウジ 訳 (青土社/定価2520円)

イギリスの心理占星学の大家、リズ・グリーンの出世作。「凶星」とされてきた土星を、新しい視点から解釈する。ホロスコープの解釈に役立つ、実践的な心理占星学の入門書でもある。
『サターン 土星の心理占星学』を買う


関連講座
「影の占星学 土星のシンボリズムをめぐって」

心理占星術の醍醐味を最も鮮烈に示す惑星である土星を中心に、自分の中の「影」の部分を見ていく。

日時:11月12日(金)、26日(金)午後7時〜午後8時半
場所:朝日カルチャセンター新宿
受講料:2回 会員5,460円  一般6,510円


『月の本』
The Moon Watcher's Companion


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ドナ・ヘネス 著 真喜志順子 訳 鏡リュウジ 監修(河出書房新社/1470円)

月にまつわる古来の神話や伝説、月と関連のある植物や動物のエピソードなど、月とかかわりのあるさまざまな文章を収録。疲れているときに読むと、心を癒してくれそうな1冊。
『月の本』を買う

『女神の法則』


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鏡リュウジ 著 安彦麻理絵 漫画(世界文化社/1260円)

自分の中のアニムス(男)とアニマ(女)を知ることで、恋愛を成功させるための方法を見つける。自分探しをしながら恋の法則がわかる本。
『女神の法則』を買う
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